【おすすめ展覧会】川瀬巴水 旅と郷愁の風景

【おすすめ展覧会】川瀬巴水おすすめ展覧会

石川県立美術館で開催中の「川瀬巴水 旅と郷愁の風景」を観てきました。

大正から昭和にかけて活躍した木版画家、川瀬巴水(かわせ はすい)。

新時代の木版画「新版画」を推進した版元の渡邊庄三郎のもと、彫師や摺師と共同で木版画を制作。

全国を旅し、庶民の生活が息づく四季折々の風景を描きました。

「旅情詩人」と呼ばれた川瀬巴水の生涯を、初期から晩年までの代表的な作品とともに紹介する展覧会です。

新版画」とは

大正から昭和にかけて興隆した多色摺木版画です。
新しい時代の木版画芸術を目指して、版元を中心に浮世絵版画の伝統技術である絵師、彫師、摺師の共同作業で制作されました。

ネコ画伯
ネコ画伯

新版画を売り出す版元の渡邊のもとで、巴水は風景画の絵師として活躍したよ!

ネコ画伯的感想

正直なところ、新鮮な驚きというものは感じませんでした。

ネコ画伯は版画に詳しくないため、新版画のどのあたりが伝統的なものと比べて新しい表現なのか、よくわからなかったのです。

そして、全体的に題材は地味です。

巴水は全国津々浦々を旅して、そこで目にした風景を描いたので、あくまで日本らしい、昔懐かしい風景を楽しむという感じです。

本当に様々な風景が登場するので、人によってグッとくる情景が異なるだろうと思うと、推し作品を聞いて回りたい気持ちになりました。

今回はネコ画伯的推し作品を、ポストカードで紹介します。

夏の金沢

《金澤下本多町》『旅みやげ第二集』1921年 渡邊木版美術画舗蔵

石川県在住のネコ画伯は、金沢を描いたこの作品にグッときました。

夏のギラギラした日差しのもと、あまりの暑さに日傘をさして日陰を歩く姿には、共感しまくりです。

暑さは勘弁ですが、青い空に白い雲、緑の力強さは絵になりますね~。

雪降る静けさ

《尾州半田新川端》『東海道風景選集』1935年 渡邊木版美術画舗蔵

雪がしんしんと降って、暗くて寒くて静かな空気が感じられます。

家の壁に雪が吹き付けられギザギザしているのも、雪国には馴染みのある光景です。

そんな中を一人で歩く姿では寂しいですが、一匹の犬が後ろをついて歩いているので、ほっこりした気持ちになりますね。

日本のサンタ

《”The Japan Trade Monthly” 表紙(No.68)》(部分)1950年 渡邊木版美術画舗蔵

「和」の風景にサンタクロース……

絵で見ると違和感がものすごくて面白いですね。

川瀬巴水の絵は海外で人気が出て、これは海外向けの雑誌の表紙用に描かれたものです。

なんと、あのスティーブ・ジョブズも川瀬巴水がお気に入りで、作品を購入していたそうですよ。

会場では、ジョブズが購入した中にあったのと同じ作品も展示されています。

(《西伊豆木負》という作品)

絶筆

《平泉金色堂》1957年 渡邊木版美術画舗蔵

平泉の中尊寺金色堂を描いた絵。

一人の僧侶が出かけた先から戻ってきたのでしょうか。

この作品は巴水の絶筆だそうです。

そう聞くと、僧侶の後ろ姿がこの世を旅立っていく巴水の姿であるかのように見えてきて、何とも言えない気持ちが沸き上がる作品です。

ミュージアムグッズ

ポストカードを4枚買いました。(各130円)

かなり絵柄が豊富にあり、嬉しかったです。

ミュージアムカフェ

美術館内にあるカフェ「ル ミュゼ ドゥ アッシュ KANAZAWA」で、展覧会とのコラボスイーツを食べました。

「パルフェ ボヤージュ」

展示作品の《金澤下本多町》からインスピレーションを受けて造り上げられた、オリジナルスイーツです。

作品と同じく、濃い緑が印象的ですね。

見た目がまず美しく、いろんな要素が詰め込まれていて、贅沢でワクワクするパフェです。

シャインマスカットと、皮ごと食べられるブドウのナガノパープルがみずみずしくておいしい!

ドリンク付きで2,970円。
(展覧会のチケット半券提示で200円引き)

ガラス張りの窓から外の緑を眺めつつ素敵なパフェをいただくのは、最高に贅沢な気分になれます。

展覧会まとめ

川瀬巴水は近年、注目度が高まっているようで、美術館でよく取り上げられているのを目にします。

巴水の画業の全体像が見える今回の展覧会。

あまり知らない人には、巴水を知る絶好の機会ではないでしょうか。

気になった方はぜひ一度、訪れてみてください~!

川瀬巴水 旅と郷愁の風景
2023年9月2日(土)~10月1日(日)
石川県立美術館

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