石川県立美術館で開催中の「東京富士美術館所蔵 東西近代絵画名品展」を観てきました。
東京富士美術館のコレクションの中から、19-20世紀の西洋画と日本画あわせて59点が展示されています。
人気の展覧会なのか、会期後半だからか、人が多かったな~
ネコ画伯的感想
【見どころ1】近代日本画・近代西洋画の有名画家が並ぶ
展示作品の中には、日本画では横山大観・菱田春草・竹内栖鳳、西洋画ではモネ・ルノワール・ミレーなど、有名な画家の作品が多く並んでいます。
ネコ画伯的には、有名画家のわりにはピンとこない作品もありましたが、もちろん気に入った作品もあります。
印象派の画家、シスレーの作品。
これは以前、他の美術館で観た東京富士美術館展で気に入った作品でしたが、今回もやはりいいなと思いました。
紫がかった浜辺、全体的にかわいらしい色味が印象派ならではという感じ。
シスレーが亡くなる2年前の作品で、この頃すでに咽頭癌に冒されていたそうですが、筆致がわりと雑というか荒く感じるのはその影響があったのでしょうか。
どちらにしろその筆致が作品にゆるさを与えていて、ネコ画伯は好きです。
日本画の有名画家、橋本雅邦ですが、あまりしっかり観る機会はこれまでなかったかも。
で、今回観て、驚きました。
奥行き、空気感の表現がなんて素晴らしいのかと。
特に右隻。
霞がかった山の様子、形の異なる岩の表現が、めちゃくちゃ気持ちよくないですか。
横山大観・下村観山・菱田春草らを指導したというのも納得の上手さです。
【見どころ2】吉田博の新版画
吉田博の新版画《瀬戸内海 帆船》シリーズは、「朝」「午前」「午後」「霧」「夕」「夜」の6枚が展示されています。
同じ版木を使い、摺色を変えて、帆船が浮かぶ海の情景を6種の時間帯に分けて描いたものです。
こうした試みを作家自ら「別摺(べつずり)」と称したそうです。
観ているとなんだか、モネの連作を思い起こしました。
モネも、時間帯によって変化する光を描こうと、同じモチーフを何枚も描いていますよね。
確かに同じ絵でも色が変わると受ける印象も異なり、並べることで個々の良さが際立っています。
時間帯ごとの姿を表現したくなる気持ちもわかるなぁと思いました。
【見どころ3】新たに知った画家
滝 和亭(タキ カテイ)という日本画家。今回初めて知りました。
藤の花と葉がものすごく繊細に美しく描かれていて、目を奪われてしまう作品です。
白い花びら1枚1枚、緑の葉1枚1枚のグラデーションが素敵です。
72歳で没する前年の作品らしいですが、そうは思えないほど細やかな仕事ぶりで驚きました。
細やかな仕事ぶりと言えばこちらも驚きです。
作者はイギリスの風景画家。
夕暮れの小川の情景で、水の透明感、岩場・草木・雲の描写もすごいのですが、何と言っても光の輝きがすごいです。
夕日の明るい光が画面のあちこちに差していて…
よく見ると、黒い木の幹に赤色の絵具が大胆に塗られていて、それが効果的に夕日の明るさを表現しているんですね。
いやーこれだけ描きこむのにはどれくらい時間がかかっているんだろう…
ミュージアムグッズ
絵はがきを購入しようと思ったのですが、なぜかネコ画伯が気に入った作品の絵はがきが一つもありませんでした…
売り切れてしまったのか、マイナーな作品を気に入ってしまったのか…
ミュージアムカフェ
館内にあるカフェ、「ル ミュゼ ドゥ アッシュ KANAZAWA」でケーキと紅茶をいただきました。
ここは本当におすすめ!
何度か行きましたが、ケーキを頼んで外れたことがないです。
今回は「アルディ」という名前のレモン風味のカップスイーツ。
ホワイトチョコレートのムースの上に、メロンとはちみつレモンジュレが乗っています。
レモンの爽やかさとほろ苦さ、でも全体的には程よい甘さで、さっぱりと食べられておいしい~。
「リベルテ」というオリジナルティーも、レモン風味で飲みやすかったです。
ケーキが715円、お茶が687円。
お値段はかわいくないですが…でもせっかく美術館に行ったなら、食べないと損です!
展覧会まとめ
帰りに美術館を出たら、空に2種類の雲が浮かんでいました。
綿菓子みたいな雲と、泡せっけんみたいな雲!
画家ってこういう心動かされる風景を見て、絵に描けるんだからすごいですよね~
しかしネコ画伯のように観る専門の方は、美術館の絵で心癒されるとしましょう。
本展覧会はもうすぐ終わってしまいますが、お近くで東京富士美術館展が開催される機会があれば、ぜひ訪れてみてください~
東京富士美術館所蔵 東西近代絵画名品展
2023年7月28日(金)~8月27日(日)
石川県立美術館