金沢21世紀美術館で開催中の「時を超えるイヴ・クラインの想像力ー不確かさと非物質的なるものー」に行ってきました。
イヴ・クライン(1928〜1962)
わずか34年余りの人生のうちに、数々の傑作を生み出し、世界的にも高く評価されているフランスのアーティスト。
出典:金沢21世紀美術館「時を超えるイヴ・クラインの想像力―不確かさと非物質的なるもの」展ウェブサイト
ネコ画伯的感想
【見どころ1】カラフル空間!
展示室11「色と空間」
今回の展示の中で一番見ていて楽しい展示室。クラインのオレンジだけ、薔薇色だけ、青だけなど、単色で塗られた絵画(モノクローム絵画)とともに、元永定正やルーチョ・フォンタナの色鮮やかな作品が並べられています。
色が散りばめられたカラフルな空間。
色水をビニールチューブに入れ吊るした元永定正の作品。色が空中に浮いているように見えて面白い。
クラインだけでなく他の作家の作品と組み合わせて展示されていることで、同じ色でも色味の違いを感じたり、白い展示空間における色の配置が楽しめていいなと思いました。
ここは写真撮影OKなのでどうぞパチリと1枚!
【見どころ2】謎パフォーマンス
展示室9「音楽とパフォーマンス」
クラインが指揮するオーケストラの演奏の中、青い絵の具を体に塗った裸の女性たちが身体を壁にすりつけてペイントを行う、という行為を繰り返す。
それを客席から正装した人々が足を組み、かしこまって眺めている。
・・・というパフォーマンス作品を映像で見ることができます。
これは・・・芸術?
私には、シュール映像というか笑ってしまいそうな奇妙な光景なんですが、このパフォーマンスに至るクラインの思考や込められた意味を読み解けば、芸術として捉えられるということなのだろうか。
少なくとも、この映像を見て何かしらの感情を抱くのは間違いありません。
こういう作品こそ誰かと感想を共有したいところですが、あいにく私はぼっち鑑賞者です・・・
【見どころ3】IKBを感じろ!
展示室5(光庭)「青の顔料」
青い顔料を使った作品で有名なクラインですが、なんとあの顔料は「インターナショナル・クライン・ブルー(IKB)」といって自身が開発した顔料だそうです。
IKBが目に飛び込んできます。顔料が敷き詰められた作品。
…クライン本人は、粉末状の顔料を最も自由な状態に保つには、単純に絵を地面の上に平らに置けばいいと考えていた。そうすることによって、目に見えない引力により、顔料は純粋な状態で地に定着する。また、《青い雨》はこの顔料を絵画ではなく12本の棒に塗ることで、降り続ける雨の時間と空間の持続が表現 されている。
出典:金沢21世紀美術館「時を超えるイヴ・クラインの想像力―不確かさと非物質的なるもの」展ウェブサイト
↑写真の上部に見える青い棒がクラインの作品《青い雨》です。
クラインは青の神秘的なエネルギーに惹かれていたそうですが、たしかにこの深い青色を前にするとつい立ち止まってしまうというか、吸い込まれそうな魅力を感じます。
ネコ画伯も一番好きな色が青だから青色の作品は無条件で好きになっちゃうことが多いよ!
ミュージアムグッズ
ポストカードを買いました(↓画像右)。すごく大きいです。
(ピカソのインパクトが強すぎてサイズの違いがわかりにくい・・・?)
テンションが上がったカラフル空間の思い出に。1枚250円也。
ミュージアムカフェ
せっかくなので美術館カフェ「Fusion21」でお昼をいただきました。
様々な前菜を選べる前菜ビュッフェのつくランチが一押しのようでしたが、食べやすそうなカレーを注文しました。おしゃれな盛り付けで、味も普通においしいです。ただし1400円という美術館価格。
平日のためか店内はかなり空いていましたが、私の他にいた客が中国系のグループとヨーロッパ系のグループでした。さすが人気の現代美術館というグローバルさをカフェで感じました。
美術展まとめ
この展覧会はネコ画伯のように現代美術をとっつきにくいと感じている人にもおすすめです!
- イヴ・クラインの作品に多様性があるので自分にヒットする作品が見つかる可能性が高い
- 鑑賞しやすい工夫がされている
(例:写真映えするカラフルな展示空間、クラインが日本で柔道を学ぶ写真の展示)
気になった方はぜひ一度訪れてみてくださいね。
時を超えるイヴ・クラインの想像力ー不確かさと非物質的なるものー
2022年10月1日(土) -2023年3月5日(日)
10:00~18:00(金・土曜日は20:00まで)
金沢21世紀美術館
特設サイト