【ざっくりわかる】イヴ・クラインの人生・作品の特徴

イヴ・クラインの人生・作品の特徴画家解説

イヴ・クライン(Yves Klein)

【国】 フランス
【生】 1928年
【没】 1962年(32歳)

【分類】現代美術

作品の特徴

インターナショナル・クライン・ブルー(IKB)

自ら理想的な深い青色の顔料「インターナショナル・クライン・ブルー(IKB)」を開発、特許を取得した。

クラインは神秘的なエネルギーをもつ色として青色に惹かれていた。

「人体測定」シリーズ

裸の女性モデルにIKBを塗布しキャンバスに押し当てたり、IKBを吹き付けて輪郭をかたどったりすることで、人体の動きを定着させる作品。

クラインが柔道修行のために日本に滞在した際に見た魚拓、さらに広島で見た、原爆によって一瞬にして影と化した人体の印象(※)から想を得ているとも言われる。

※原爆の強烈な熱線により、人は即死し建物も焼かれるが、人がいた部分は熱の当たり方が異なるため影となって残ったとされる

パフォーマンス

パフォーマンスアートとして上記の「人体測定」を公開制作した。その際、裸の女性モデルに制作させる横でクラインは正装姿でオーケストラを指揮し(よって会場にはクラインの自作曲「モノトーン・シンフォニー(※)」が流れている)、観客にも正装を求めた。

※モノトーン・シンフォニー…単音交響曲。「ただ一つの音」を引き伸ばした前半と、まったくの沈黙による後半によって構成された交響曲。

他、自身が窓から飛び出し空中浮遊する写真を掲載した新聞を発行するパフォーマンスが有名。

もちろん写真は合成だよ!

人生のポイント

薔薇十字団

18歳で薔薇十字団に入り神秘思想を得る。

※薔薇十字団…17世紀にドイツで誕生した秘密結社。詩人ゲーテや音楽家モーツァルトも影響を受けたとされる

柔道黒帯

19歳のころにフランスで柔道を学ぶ。

1952年から1年間日本に滞在し、講道館から当時欧米人としては最高位の四段位認定を受けた。

若くして死去

1962年、結婚し子供の誕生を控えた時期に心臓麻痺で急死した。

クラインはグァルティエロ・ヤコペッティ監督の映画『MONDO CANE(邦題:世界残酷物語)』で人体測定のパフォーマンスの撮影に応じたが、人体測定のシーンは欧州の堕落を伝えるシーンの一つとして恣意的に編集されていた。試写会を見て憤った彼は心臓麻痺を起こし、数日後に死去した。34歳であった。

参考文献

  • 『現代アートの巨匠 先駆者たちの〈作品・ことば・人生〉』美術手帖編(2013)
  • 「時を超えるイヴ・クラインの想像力―不確かさと非物質的なるもの―」展 作品リスト(金沢21世紀美術館)
  • Wikipedia イヴ・クライン
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